鍼灸師になるための学びの日々

人生の折返し地点で鍼灸師になることを決意。日々の学校の授業の内容を復習のためにブログに綴っていきます。

【東洋医学概論-8】気の病理について

4.気機(きき) ~先週からの続き~

気の運動のことを「気機」と言う。

気機には「昇」「降」「出」「入」という4つの方向性がある。これらの運動の協調よって人体の平衡を保っている。

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また、各臓腑の気機は特有の運動があり、各臓腑の機能に反映される。

【臓腑との関連】
気は腎の温煦作用によって始動し、精の気化作用によって作られる元気と脾の働きによって生成される水穀精微から作られる気「宗気・営気・衛気」が存在する。

生成された気は心の推動作用や、肺の宣発・肅降作用によって全身を運行し、各所に散布され、肝の疏泄作用によって全身の気機の調整をする。

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気の病理について 

気の病理は下記2つに大別される。
 ・虚証(不足や機能減退)
 ・実証(有余、停滞)


1.気の不足による病態 → 虚実

気虚
気が足りない状態。先天的な元気不足、飲食物の摂取不足による、後天の気が補充されない、心身の過労、房事の不摂生大病や長期間の病気などによって、気の生成不足、消耗過多、機能減退が起きたもの。

■原因:生成不足または消耗過多により引き起こされる

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■症状:気不足により、推動、固摂、防御の機能が低下。活動時に症状が悪化する。

倦怠感、無力感:全身に栄養が行き渡らず、活動力が低下する
自汗、易感冒:衛気の不足により汗腺の開閉が障害される(邪気が侵入しやすくなる) 

 ※自汗→暑さなどにかかわらず自然に出てくる汗
食欲不振:飲食物を処理する能力が減退するため(脾気の不足)
息切れ、らん言:早期や肺気が不足するため
 ※らん言→話すのが億劫になる状態
眩暈(めまい):頭部に栄養が届かないため

 

②気陥(下陥)

気虚」と「気の上衝不能」という2つの病理が重なって起きた病態を気陥という。

■原因:慢性的な気虚、過労、多産、産後の不摂生などで気が損傷されることにより、気機に影響を与えることが原因となる。

■症状:

気虚の症状

 気虚により気機が失調した状態のため一般的な気虚症状を伴う。

胃下垂、脱肛、子宮脱

 上に向かわせる気機が失調し、組織・器官を正常な位置に保てないため、下垂症状が起こる。

慢性の下痢

 気虚により脾の機能が低下すると、飲食物の消化吸収が十分に行われず便がゆるくなる。

 

③気脱 ※命にかかわることも

気虚が極限まで悪化した病的状態を「気脱」という。

■原因:慢性的な気虚や極度の疲労。大量出血や激しい嘔吐など。

■症状:

◎呼吸が浅くなる

◎意識を失う

◎顔面蒼白、四肢の冷え、脈が弱くなる

◎強い自汗

2.気の滞りによる病態 → 実証

気鬱気滞

気機が鬱結し、軽度な気の循環障害が起こった病態を「気鬱という。

気鬱が発展し、その程度が強くなったものを「気滞という。

気機が阻滞した状態。


■原因

◎情志の変化:気機の乱れが起こる(感情や気分の変化)

◎外邪(湿邪や寒邪):粘滞性や凝滞性、収引性を持つため

◎飲食不節:食べ過ぎにより水穀が滞れば気も滞るため。

■症状

◎脹痛:生理物質が滞ると疼痛を引き起こす。気鬱気滞による痛みは脹るような痛み

◎胸悶、胸肋部痛:感情の変化が生じると胸郭や胸肋部など心と肝に関係する場所に痛みや不快感が生じる

◎腹部膨満感:気の流れが悪くなると、消化器系の動きに滞りを生じさせるため、腹部の膨満感を引き起こす

抑うつ感:気分が落ち込んでいる状態

 

②気逆

気の上昇運動が過度になり、下降運動が不十分であるために気が上昇した病理を「気逆」という。

■原因

◎情志の失調などにより、上昇する気機が過剰になる

◎邪気に気機が阻まれて、下降すべき気が下降することができず行き場を失い、逆に上昇してしまう

■症状

◎易怒:過剰に上昇した気機の影響が情志に及び、イライラしやすく、怒という感情が起こりやすくなる

◎頭痛・めまい:気の上昇が過剰になり、上部で生理物質が阻滞すると出現する

◎咳嗽・喘息:肺の気機に影響を与えると、呼気・吸気の平衡を保つことが出来ないため、咳嗽(がいそう)や喘息を引き起こす

◎悪心・嘔吐・ゲップ・しゃっくり:胃の正常な気機には降濁がある。邪気により気機が阻まれたり、過剰に上昇する気機の影響を受けると気が逆行する


気の病理のまとめ

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■ 不足によるもの = 虚証

気虚

・気陥(気虚+下垂)

・気脱(気虚が極限までいったもの)

■滞りによるもの = 実証

気鬱(軽度)と気滞(重度)

・気逆(気が上昇し、下げられないもの)

 

試験に向けて、「精」と「気」についてをまとめてみた!

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